ラストチャンス（笛/椎名→黒川）

ラストチャンス？

　　ロストチャンス？


今まで僕は選べなかった。

ただ一緒にバカやってられればそれでよかったから。

でも・・・もう隣にはいられない。

だから、今日だけは正直に。

今すぐ会いたいから、お前に会いに行く。



------ ラストチャンス ------


「あ。マサキー？まだ起きてた？」

『どうしたんだ。こんな時間に。』

眠たそうな電話の向こうの声をたたき起こすように僕は「寝んじゃねぇぞ」と少し声をはった。

「俺さぁ～、今からそっち行くから。最終電車だから家に帰れなくなるし、そっち泊めろよ。」

『はっ！？』

「じゃ・そ～いうことで。」

『ちょっ、まっ』

プッ

抗議しようとする声を遮る様に電話を切る。

「卒業おめでとう。」

昼にグランドで言われた言葉が今も耳にはっきりと残っている。

「翼、お前制服ボロボロじゃねえか。」

クックと笑う独特の笑い声に

「お前と違って僕は人気者だからね。」

と返した。

人気者だって。自分で言ってて片腹痛い。

たった一人の心も手に入れられないのに。

お前は僕をどう想っている？

そんなこと疑問に思うこと自体がおかしいけどね。

考えられずにはいられない。

僕はお前のなんだ？

聞くのも、気持ちを告げるのも恐くて何もできず足踏みばかりしてたけど。

お前の顔見たら今夜は開口一番に

「急に会いたくなったから来た」

っていつもと変わらぬ強い口調で言ってやる。

きっとお前は何も気づかず「なんだそれは。とりあえず入れよ。」とかいうんだろ？

覚悟しとけよ。

試合は最後までわからない。

俺はリベロだからな。



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中途半端に終わる。
このＣＰは、もう書かない。
６年前に書いたものを発掘した次第です。
確か、ナナちゃんにあげたものだと思われ・・・？
じゃなきゃ書かないＣＰなので。
結果論として、黒川さんが椎名ちゃんを嫌いなわけがない。