【お題消化】はなればなれに

2011年12月21日01:29 　ｍｉｘｉ日記より転記

「はなればなれに＠幻サカ/雪→団」


サーカス団を去ろうとする雪之丞さん。

主が戻ったばかりであろう団長の部屋は、粉雪が舞っている外の気温と大差ない。

焦げるのではないかというくらいストーブに密着したその人は俺の姿を見るなり小首を傾げた。

「こんな時間に珍しいですねぇ。」

やんわり言った目隠しの上司に「話がありまして。」と決心が鈍らぬよう、前置きをする。

すると、団長は先を促すように笑みを深くした……ように見えた。

目隠し越しに凡てを見透かしたような視線を感じる。

此れから、俺が云うことを…貴方は何れくらい予測出来ているだろうか？

俺を急かすようにストーブがコンコンコンと音をたて始めていたが、あの人は気長に俺が口を開くのを待ってくれていた。


団長は団員を何よりも大事にするし、俺も貴方の団員を大切に想っている。

だからこそ…自分などが、このサーカスの席を汚すこと自体許されない。

この選択肢は間違ってなどいない。


“もうヤメる”

そのたった一言でいいのだ。

そう言ったところで、理由なんて聞かず、顔色ひとつ変えず、俺を送り出すだろう。

俺が、それを望むなら。





─── アンタしか愛せない


　　　　溢れる前に 蓋して


　　　いっそ 何ひとつ 片付けず


　　は な れ ば な れ  に






───“ヤメる”


台詞を頭の中で反復して


この口をついて出たのは


あろうことか


白い溜め息だけ。




「雪之丞」


呼んでクスリと笑った あの人は、ストーブに手をあて

「寒いなら、此方へ来ますか？」

と嘯いた。




END



そして、「美しい影」に繋がりますwww
「貴方の心は誰のもの」「貴方は誰に恋い焦がれ」は「団員」であって欲しい！と。
たとえ、雪兄さんに他の団員とは違う種類の気持ちを持っていたとしても、クドウ家の団長は、そういう意味での私情は一切挟まない………ので、美しい影の図です。
なので「貴方(団長)の団員」という言い回し。
兄さんも団員の一員ですので、勿論「団長の雪之丞」←お約束
雪兄さんも団員溺愛ではありますが、男(女形?)心は複雑なようで…団長のように割り切れるほど強くはないなぅ。
美しい影でその辺吹っ切れるので、良いことにしましょう。
歌詞である「アンタしか～～はなればなれに」をどうしても兄さんに言わせたかっただけという安易さ万歳←

タイトル＆歌の歌詞　吉田知加さん「はなればなれに」より引用